カボチャ

Created at 2026-07-13 UTC [Last edited at: 2026-07-14 10:23:06 UTC]

カボチャ(南瓜)とは、ウリ科カボチャ属に属する野菜の一種。
科名ウリ科カボチャ属
学名Cucurbita.sp
原産地中南米
生態つる性一年草
英名pumpkin,squash,marrow,gourd
別名トウナス、ナンキン、ボウブラ

概要

中南米を原産地とするつる性一年草で、新大陸発見後にヨーロッパに持ち込まれ、大航海時代に世界中に広まった。
果実は食用とされるほか、種子も食用または搾油用として利用される。
また、品種によっては観賞用や家畜の飼料用として栽培されるものもある。

一口にカボチャといっても、我が国で栽培されるカボチャ類は、
・「ニホンカボチャ」(Cucurbita moschata)
・「セイヨウカボチャ」(クリカボチャ、Cucurbita maxima)
・「ペポカボチャ」(Cucurbita pepo)
の3種に大別される。

我が国へは室町時代後期の1542年(天文11年)、ポルトガル船がカンボジアを経由して豊後府内へ漂着した際、領主・大友義鎮(宗麟)に献上されたのが最初とされる。この際にもたらされたのはニホンカボチャ(Cucurbita moschata)であり、ポルトガル語でカンボジアを意味する「Camboja(カンボジャ)」が転じて「カボチャ」の名になったとされる。
セイヨウカボチャ(クリカボチャ、Cucurbita maxima)は幕末から明治初期にかけて伝来した。当初は冷涼な北海道・東北地方を中心に栽培されたが、品種改良が進んだ結果、大正時代以降には関東地方以南でも広く栽培されるようになり、現在では日本で最も一般的なカボチャとなっている。
ペポカボチャの伝来時期は明らかではないが、江戸時代初期にはすでに日本に存在していた可能性がある。京都・北野天満宮の拝殿(1608年〈慶長13年〉建立)の蟇股には、「金冬瓜キントウガ」と呼ばれる赤いウリ状の果実の彫刻が見られる。『牧野日本植物図鑑』(1940年)では、この「金冬瓜」をペポカボチャの一種(Cucurbita pepo var. kintoga)としている。同図鑑によれば、果皮は朱色ないし黄赤色を呈して観賞価値が高い一方、果肉の食味は劣るため、主として観賞用として栽培されていたという。戦前までは栽培されていたことがうかがえるものの、現在ではほとんど見られなくなっている。一方、現在では本種に属する品種は非常に多く、未熟果を食用とするズッキーニやソウメンカボチャ(金糸瓜)、ハロウィーンなどで観賞用として用いられるオモチャカボチャなども本種に含まれる。

旬と産地

カボチャの旬は一般に夏から秋にかけてである。露地栽培では7月から9月頃に収穫されるが、収穫直後はデンプンが多く甘味が少ないため、一定期間貯蔵して追熟させることで甘味が増す。このため、市場では秋から冬にかけても多く流通する。
我が国では北海道が最大の産地であり、全国生産量のおよそ半数を占める。このほか鹿児島県、茨城県、長崎県、宮崎県などでも盛んに栽培されている。また、冬季にはニュージーランドやメキシコ、トンガなどからの輸入品も流通しており、一年を通じて購入することができる。

栄養面

カボチャは緑黄色野菜に分類され、β-カロテンを豊富に含む。
β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持、暗所視力の維持などに役立つ。
このほか、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、食物繊維なども多く含まれる。特にビタミンCは加熱による損失が比較的少ないことでも知られる。
また、種子(パンプキンシード)はタンパク質、不飽和脂肪酸、亜鉛、マグネシウムなどを含み、食用や製油原料としても利用される。

品種

ニホンカボチャ

メソアメリカの熱帯地方で栽培化された種。一般的に水分が多く、セイヨウカボチャより粘りがあり味は淡泊であるが、煮崩れしにくいので、煮物や蒸し物、天ぷらなどの日本料理に向いている。果梗(蔕)は五角柱で木質化し、果実と接する部分が広がっているのが特徴である。


  • 黒皮かぼちゃ
    実は腰高の偏円形で、果皮は濃い黒緑色。果面には深い縦溝が入り、上から見ると菊の花のような形をしている。不鮮明な瘤があってややごつごつしている。果皮は熟すと赤みの強い柿色に変色する。
    ニホンカボチャの代表的品種で、熊本県や宮崎県で栽培される。

  • 小菊かぼちゃ
    一見すると黒皮かぼちゃに似ているが、それよりも一回りほど小さく、掌に納まるほどの小玉である。また、黒皮かぼちゃほどごつごつしていない。
    普通果実は黒緑色だが、福島県で栽培される「会津小菊かぼちゃ」は灰緑色地に黄色いかすり模様が入る。
    煮物や天ぷらはもちろん、果実が小さいので、ワタや種をくりぬいてからそこに食材を詰めて蒸す調理法もよい。

  • 鹿ヶ谷かぼちゃ
    京都市左京区鹿ヶ谷地区で成立した京野菜の一つ。ひょうたんのようなくびれた独特の形をしている。但し、蔓の着果位置によって形状が変化し、果皮が縮緬状の細かい瘤で覆われたり、深い縦溝が入ったり、平滑であったり、くびれが不鮮明になったりする。果実の色は当初は深緑色だが、熟すと柿色に変色する。
    煮物や天ぷらにするほか、果実の形状の面白さを活かして画材や観賞用にすることもある。

  • 鶴首かぼちゃ
    首が長く伸びたひしゃく型の果実を付ける品種。果皮は当初は深緑色だが、熟すと柿色や黄色に変色する。また、深緑色地に黄色い斑紋が入ることもある。
    果肉は鮮やかな黄色で、粘質かつ甘味があり、煮物やスープに利用される。
    愛知県や宮崎県の伝統野菜である。

  • 縮緬かぼちゃ
    愛知県(愛知縮緬)や静岡県(見附南瓜)、広島県(田尻南瓜)などの各地で栽培されてきた品種で、果皮全体に縮緬状の細かい瘤が生じることからこの名がある。果実は扁球形で、熟すと果皮は黄褐色から柿色となる。
    果肉は粘質で甘味は控えめであり、煮物などに利用される。

  • 勝間南瓜こつまなんきん
    大阪府大阪市西成区勝間地区で栽培されてきた伝統野菜。果実は小ぶりかつやや扁平な円形で、熟すと果皮は深緑色から黄褐色となる。果肉は粘質で煮崩れしにくく、江戸時代から栽培されてきた。一時は栽培が途絶えたが、2000年代初頭に種子が見つかり、栽培が復活した。

  • バターナッツ
    アメリカで育成されたニホンカボチャの一品種。果実はひょうたん型で、果皮は淡黄褐色からベージュ色となる。果肉は鮮やかな橙色で繊維が少なく、ナッツやバターを思わせる濃厚な風味となめらかな食感を持つ。ポタージュやロースト、製菓材料などに広く利用される。

  • エホバク
    韓国で広く栽培される。「未熟なカボチャ」を意味する韓国語「애호박(エホバク)」の名で知られる。果実は円筒形でズッキーニによく似るが、植物学上はニホンカボチャに属する。未熟果を収穫して炒め物やチヂミ、スープなど韓国料理に広く利用される。
    果実色は未熟なものは黄緑色だが、熟すとベージュ色に変色する。


セイヨウカボチャ

アンデス山脈周辺で栽培化された種。日本へは幕末から明治時代初期にかけて伝来し、現在では国内で最も広く栽培・流通しているカボチャである。
果肉は粉質でデンプン含量が多く、追熟によって糖度が増すため甘味が強い。ホクホクとした食感が特徴で、煮物のほか、天ぷら、スープ、サラダ、菓子など幅広い料理に利用される。
果梗は円柱形で、スポンジ状で柔らかいのが特徴である。


  • えびす
    株式会社タキイ種苗が育成した、日本を代表するセイヨウカボチャの一品種。果実はやや扁円形で、果皮は濃緑色に淡緑色の斑紋が入る。果肉は鮮やかな橙黄色で粉質、甘味が強く、煮物や天ぷら、スープなど幅広い料理に利用される。

  • みやこ
    公益財団法人園芸植物育種研究所が育成し、株式会社サカタのタネ専売の一代交配種。果実は扁円形で果皮は濃緑色、果肉は濃黄色で粉質となる。食味に優れ、収量が安定していることから全国で広く栽培される。

  • くり将軍
    株式会社トキタ種苗が育成した一代交配種。果実はやや大型で濃緑色を呈し、果肉は厚く粉質で糖度が高い。追熟するとさらに甘味が増し、栗のような食感と風味を持つことからこの名がある。

  • 坊ちゃん
    株式会社協和みかどが育成した小型品種。果実は500~700g程度と小さく、濃緑色の果皮を持つ。電子レンジで丸ごと調理できる手軽さから家庭用として人気が高い。
    姉妹品種に「赤い坊ちゃん」「白い坊ちゃん」がある。
    こうした小型の品種は「ミニカボチャ」と呼ばれ、この系統の品種はほかに、
    ・「栗っプチ」(旧名は「栗坊」、サカタのタネ)
    ・「ほっこり姫」(タキイ種苗)
    ・「パンプキッズ」(カネコ種苗)
    ・「すずなりカボちゃん」(旧名は「鈴成錦2号」、ナント種苗)
    ・「栗てまり」(雪印種苗)
    ・「朱姫」(赤皮、ナント種苗)
    ・「こなゆきひめ」(白皮、ナント種苗)
    などが知られる。

  • 雪化粧
    株式会社サカタのタネが作出した、白灰色の果皮を持つ晩生品種。貯蔵性に優れ、長期間保存しても品質が低下しにくい。果肉は粉質で甘味が強く、北海道などで広く栽培される。

  • 白爵
    白皮の品種。雪化粧よりも果実が大型で、果実の先端が尖り、独楽のような形状になる。優れた貯蔵性を持ち、条件が良ければ翌年の2月まで持つこともある。

  • 打木赤皮甘栗
    石川県金沢市打木地区で育成された伝統品種。果梗に近い部分が尖り、タマネギのような形状になる。赤皮栗系統の代表として知られ、加賀野菜の一つに数えられる。
    昭和初期に福島県から導入した赤皮の品種を石川県加賀市で栽培したのが嚆矢とされる。
    水分が多く、セイヨウカボチャの甘味とニホンカボチャの粘質さを持ち合わせた品種である。

  • べにくり
    赤皮栗系統の代表品種。鮮やかな赤橙色の果皮と高い糖度を持ち、食味に優れる。

  • ロロン
    株式会社タキイ種苗が育成した品種。果実はラグビーボール状で、表面にはちらし斑が入る。果肉は極めて粉質で糖度が高く、濃厚な甘味となめらかな舌触りが特徴である。

  • プッチィーニ
    手のひらに収まるほど小型の品種。果実は偏球形で、浅い縦溝が入る。果皮は薄黄色地に濃橙色の縞模様が入り、果肉は甘味が強い。丸ごと調理しやすく、グラタンや肉詰めなどに利用されるほか、観賞用としても人気がある。

  • コリンキー
    サカタのタネが育成した、生食用として利用される珍しい品種。果梗に近い部分が尖り、タマネギのような形状になる。未熟果は鮮やかな黄色または黄色みの強いオレンジ色で、果皮ごと食べることができる。果肉は柔らかく、サラダや浅漬けなどに利用される。

  • 芳香青皮栗南瓜(東京南瓜)
    昭和5年(1930年)に渡辺採種場が育成した品種で、灰緑色の果皮を持つ。宮城県で作出された日本で最初の西洋カボチャで、東京都立川市の農家での栽培が多かったことから「東京南瓜」の名称でも呼ばれる。

  • 宿儺かぼちゃ
    岐阜県高山市丹生川町で栽培される伝統野菜。果皮は灰緑色で、細長く湾曲したヘチマのような独特の形状を持ち、長さ50cm以上になることもある。果肉は緻密で甘味が強く、飛騨地域を代表するブランドカボチャとして知られる。

  • ターバン・スカッシュ
    果実の頂部に瘤状の突起が生じ、ターバンを載せたような独特の形状となることからこの名がある。果皮は鮮やかな赤橙色や緑色、灰色などが組み合わさった鮮やかな色彩を呈する。
    果肉は水分が多く、ピュレ状にしてからスープやロースト、パイなどに利用されるほか、特徴的な外観を活かして観賞用としても栽培される。
    我が国ではもっぱら観賞用で、「オカメカボチャ」の名称で呼ばれ、実際に果実の頂部におかめやひょっとこの顔を書いて飾ることがある。

  • アトランティック・ジャイアント
    アメリカで育成された超大型品種。コンテスト用カボチャの代表格として知られ、果実は橙色ないし黄色に熟す。世界各地で開催される巨大カボチャコンテストに用いられ、生育条件によっては1tを超える大きさに達することもある。果実は自重によって変形しやすく、大型になるほど扁平にひしゃげた形状となる。果肉は水分が多く食味はあまり良くないため、主として観賞用やコンテスト用として栽培されるほか、収穫後は家畜の飼料などに利用される。


ペポカボチャ

メソアメリカで栽培化された種。果実の形状や大きさ、果皮の色彩の変異が極めて大きく、未熟果を食用とするもの、完熟果を食用とするもの、さらには観賞用として栽培されるものまで多様な品種が存在する。
果梗はニホンカボチャのそれと似ているが、果実と接する部分が広がらない。


  • ズッキーニ
    イタリアで改良された代表的なペポカボチャの一品種。果実は円筒形で、濃緑色、黄色、淡緑色など様々な品種がある。他のカボチャ類ほど蔓が延びないので「つるなしカボチャ」という和名がある。
    完熟前の未熟果を食用とし、果肉は淡白で柔らかい。炒め物や煮込み料理、天ぷら、グリルなど幅広い料理に利用される。

  • スキャロープ
    ズッキーニの一種で、果実は上下が扁平で、周囲が花びらのように波打つ円盤状となる。果皮は白色、黄色、濃緑色、オレンジ色など様々で、未熟果を食用とするほか、完熟果は観賞用にも利用される。欧米では「パティパン(Pattypan squash)」の名でも知られる。
    こうした変わった形状のズッキーニはほかに、「クルックネック(Crockneck)」という品種があり、こちらは鶴首状で、果皮色は黄色ないしはオレンジ色になり、果実表面は細かな瘤で覆われる。

  • ソウメンカボチャ(金糸瓜)
    果実は円筒形から楕円形で、熟すと黄色となる。市場で売られているものの中には果皮が白っぽいものがあるが、熟したものは果梗部分が木のように硬くなっているので、数日置いておけば果皮が黄色く変色してくる。
    加熱すると果肉が糸状にほぐれることから「ソウメンカボチャ」の名がある。酢の物やサラダ、和え物などに利用される。

  • 錦甘露(スイートダンプリング)
    アメリカで育成された小型品種。果実は手のひら大の菊座型で、クリーム色の果皮に濃緑色の縦縞が入る。果肉は橙黄色で甘味が強く、サツマイモのような風味を持つ。丸ごとオーブン焼きやグラタンなどに利用される。

  • ハロウィンパンプキン
    ハロウィンのジャック・オー・ランタン(かぼちゃ提灯)の材料として栽培される品種群の総称。英語名のPumpkinが訛って「ポンキン」と呼ばれることもある。
    果実は球形で、縦に複数の浅い溝が入る。果皮色は鮮やかな橙色で、全体的に大型となる。果肉は水分が多く、食用品種に比べると食味は劣るため、主として観賞用やイベント用として利用される。また、果肉を食べやすい大きさに切ってから茹でてピュレ状にし、砂糖やシナモンなどを加えてパイにすることもある。

  • オモチャカボチャ
    観賞用として栽培されるペポカボチャの総称。果実は手のひらに収まるほど小型で、球形、洋梨形、ひょうたん形、カボチャ型、花型など形態の変異が極めて大きい。果皮の色合いも黄色、橙色、白色、緑色など多彩である。果肉は硬く、繊維質で味も悪いので食用にはしない。
    ハロウィンやフラワーアレンジメントなどの装飾に広く利用される。


利用

カボチャは世界各地で食用とされ、果実のほか種子や若葉、花なども利用される。日本では煮物をはじめ、天ぷらや汁物、菓子など幅広い料理に用いられる一方、欧米ではスープやパイ、ローストなどの料理が一般的である。

  • 煮物
    日本では煮物が最も一般的な調理法である。だしや醤油、砂糖などで煮含める料理は家庭料理として広く親しまれており、ニホンカボチャは煮崩れしにくいことから特に適している。

  • 天ぷら
    薄切りにして天ぷらやかき揚げの具として利用される。加熱によって甘味が増し、ホクホクとした食感を楽しめる。

  • スープ
    ポタージュは欧米で広く親しまれており、日本でも家庭料理や洋食店の定番となっている。バターナッツなど繊維の少ない品種が好まれる。

  • サラダ
    蒸したり茹でたりした果肉を潰し、マヨネーズなどで和えたサラダが一般的である。また、コリンキーのように生食できる品種も存在する。

  • 漬物
    摘果したカボチャの若い果実は漬物にされる。果皮の黄緑色と果肉の黄色の色合いを活かすために浅漬けにされることが多い。
    コリコリとした食感で、癖がなく、うっすらと甘味を感じることがある。

  • プリン
    裏ごしした果肉を加えて作るプリンで、鮮やかな橙色と濃厚な甘味が特徴である。

  • パイ
    北アメリカではパンプキンパイが代表的な伝統菓子であり、感謝祭やクリスマスなどに食される。
    アメリカではペポカボチャの中でも大型になり、果皮がオレンジ色のパイ用の品種が数多く作出されている。

  • 種子
    種子は乾燥・焙煎して食用とされ、「パンプキンシード」として販売される。亜鉛やマグネシウム、不飽和脂肪酸などを豊富に含む。
    オーストリアなどでは種子から搾った濃緑色のパンプキンシードオイルが生産される。独特の香ばしい風味を持ち、サラダやスープの仕上げなどに利用される。
    また、漢方薬ではカボチャ類の種子が「南瓜子ナンカシ」と呼ばれ、おできや虫下しの薬とされる。


文化

  • 冬至南瓜
    我が国では古くから、冬至(12月22日)にカボチャを食べる風習がある。冬至は一年で最も昼が短く、古くは太陽の力が最も弱まる日と考えられていたため、この日には名称に「ん」の文字が付く栄養価の高いものを食べて無病息災を願う習慣が生まれた。特に、関西地方ではカボチャのことを「なんきん」と呼ぶため、「ん」が二つ付くことから「運がつく」という縁起担ぎの意味合いもあった。
    カボチャは保存性に優れ、野菜が少なくなる冬でも貴重なビタミン源となりえたことから、冬至の食べ物として定着した。また、「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」との言い伝えも広く知られている。
    その一方で、「冬至カボチャに年を取らせるな」「冬至を過ぎてカボチャを食べると病気になる」という言い伝えも残っている。
    これは、冬至を過ぎる頃には保存していたカボチャの品質が次第に低下し、傷みやすくなることから生まれた戒めであると考えられている。


  • ハロウィーン
    欧米では、10月31日のハロウィーンにカボチャをくり抜いて「ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-lantern)」と呼ばれる提灯を作る風習がある。これは悪霊を追い払う魔除けとして用いられるもので、現在ではハロウィーンを象徴する存在となっている。主としてペポカボチャの中でも大型のオレンジ色の品種が利用され、日本でもハロウィーンの普及に伴って広く親しまれるようになった。
    しかし、ジャック・オー・ランタンの原型はアイルランドに伝わる民話*1に由来し、本来はカボチャではなくカブをくり抜いて作られていた。
    19世紀にアイルランド系移民がアメリカへ渡ると、現地ではカブよりも大型で加工しやすいカボチャが豊富に栽培されていたことから、次第にカボチャが用いられるようになり、現在の形が定着した。このため、今日ではハロウィーンとカボチャは切っても切れない関係となり、観賞用カボチャの需要が高まる時期ともなっている。


参考文献

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%9C%E3%83%81%E3%83%A3
・青葉高『日本の野菜文化史事典』(八坂書房、2013年)
・金田洋一郎・満田新一郎『ヤマケイポケットガイド21 野菜・果物』(山と渓谷社、2002年)
・主婦の友社編『名前がわかる!フルーツ&ベジタブル図鑑 : Fruits & Vegetables1880品種』(主婦の友社、2018年)
・高橋和彦訳『MAS YAMAGUCHI著 世界の野菜』(養賢堂、1985年)
・竹下大学『野菜と果物すごい品種図鑑:知られざるルーツを味わう』(エクスナレッジ、2022年)

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